「何か資格を取っておきたいけれど、どれが本当に役に立つのか分からない」──そんな人は少なくありません。


ここでは、普通の人が比較的短期間で取得できて、就職や転職に実際に有利になる資格だけを厳選しました。


無資格よりも確実に良い条件で採用される可能性が高く、しかも一生使えるスキルにつながる資格ばかりです。

選定の前提

今回ご紹介する資格は、以下の条件を満たすものに限定しています。


  • 高学歴や専門的なバックグラウンドを前提としない
  • 一般的な会社や職種への応募を想定
  • 数か月から長くても1年ほどの学習で取得可能
  • 年齢・学歴・実務経験などの制限が原則ない(※)

※FP2級受験には先にFP3級取得が必要、普通運転免許は18歳以上など、軽微な例外を含む


つまり、「誰でも挑戦でき、努力が報われやすい資格」です。

おすすめの資格7選

1.宅地建物取引士(宅建)

宅建士は不動産業に不可欠
不動産業界では定番中の定番にして必須の資格。


不動産の売買・賃貸に不可欠の重要事項説明は宅建士しかできません。(独占業務)


不動産業は、従業員5人に1人以上の割合で宅建士を置かねばなりません。(設置義務)


つまり不動産業は宅建士がいないと経営できない。


独占業務と設置義務があるため、常に求人があります。


ステップアップ可能
不動産の世界で生きるなら、ここからさらに「マンション管理士」「不動産鑑定士」など上位資格へステップアップも可能です。


資格手当
不動産や建設以外の業種を含めて、月1〜3万円の資格手当がつくケースが多いです。


他業種でも広く評価
また、他業種でも“中難易度の法律系国家資格”として地頭の良さを評価されやすい点も魅力です。


2.日商簿記2級

ビジネスの基礎知識の証明
企業の経理・財務を支える定番資格。


「利益やコストの仕組み、およびP/LとB/Sを理解している」と判断されます。


そのため、経理職以外の営業職、経営管理などの職種でもプラス評価になります。


2級がちょうどよい
3級は簡単すぎて評価が低く、履歴書に書く意味がありません。


1級は難関すぎるため、2級が最もコスパの良いレベルです。


ステップアップ可能
もし数字や会計に興味があれば、簿記2級をきっかけに税理士・会計士の道を目指すこともできます。


3.ファイナンシャル・プランナー(FP)2級

金融・保険・不動産・税金・年金など、生活に密着したお金の知識を幅広く学べる資格です。


企業ではもちろん、個人の家計管理や資産形成にも役立つため人気があります。


独立開業の道もあり、「お金の専門家」として信頼される存在に。


受験資格に多少の条件(FP3級合格など)はありますが、初心者でも3級から順に取れば問題ありません。


4.TOEIC

英語力を客観的に示せる国際的テストで、実践的ビジネス英語を評価する企業が多いです。


英検とは試験内容が違う上、こちらの方が評価が高いので、労力をつぎ込むならTOEICです。


履歴書に書いて効果があるのは600点以上、商社や外資系では700点以上が目安。


現在400点未満の人でも、数か月〜1年で600点前後に到達するのは十分現実的です。


業界・職種を問わずアピールできる万能スコアです。


5.登録販売者

店頭での販売職志向の方におすすめの資格です。


ドラッグストアや薬局に不可欠
第2・第3類医薬品を販売できる国家資格です。


第2・第3類は薬剤師か登録販売者でないと売れません(独占業務)。


また、店舗の営業時間中に1名以上必要です。(設置義務)


しかし、薬剤師は人手不足で給料も無資格者より高いので、そんなにたくさん雇えません。


そのため、登録販売者は販売員の主力になっています。


1階級上の主力販売員に
薬剤師のように高度な学歴は不要で、独占業務と設置義務がある点が最大の強み。


薬剤師を多数配置できない店舗では、登録販売者が主力となります。


国策面からも地位は向上。


高齢化とドラッグストアの医療連携(在宅医療・健康相談)の広がりで、「地域の健康アドバイザー」的存在に位置づけられつつあります。


無資格者より一段上のポジションを確立しやすく、キャリアアップ・転職どちらにも有利です。


給料も少し高く、1万円程度の資格手当がついたりします。


6.危険物取扱者 乙種第4類(乙4)

GSや工場で必須
ガソリン・灯油・アルコールなど、身近な危険物を扱うための国家資格です。


独占業務と設置義務が法律で定められており、ガソリンスタンドや工場などの現場では必須。


「現場で資格を持つ人がいないと営業できない」ため、安定した求人があります。


現場志向ブルーカラー向き
現場志向の人に最適で、資格手当や責任者手当もつきやすい。


逆に事務職・管理職にはあまり有用ではありません。


年齢制限がないので高校生でも取れることもあって馬鹿にするホワイトカラーもいますが、無視しましょう。


ステップアップ可能
将来的に整備士・消防設備士など関連資格に広げることもできます。


7.普通自動車運転免許

最も基本的で、最も効果の大きい“資格”です。


営業・配送・訪問業務など幅広い職種で「運転できる」ことが前提になっています。


取得していない人は、それだけで応募できる職種が大きく制限されてしまうため、まず最初に取るべき資格といえます。

資格取得の心構え

資格はあくまで手段

資格を取ること自体が目的化してしまう人が多いですが、本来の目的は就職やキャリアアップです。


資格を取っただけでは人生は変わりません。


「取った後にどう使うか」を常に意識することが重要です。


難しい資格が高価値とは限らない

資格の価値は「使えるかどうか」で決まります。


実務経験がなければ意味が薄い資格も多く、労力・費用・時間に見合わない場合もあります。


たとえば、経理・財務志望でもないのに履歴書のために簿記1級を取るのは非効率です。


非常に難しくて時間がかかるわりに、2級の場合より特に有利にもなりません。


また、宅建の上位にある法律系国家資格となると、いきなり行政書士で大変な勉強量が必要です。


行政書士になるわけでもないのに、履歴書に書くためだけにそんな勉強をするのは馬鹿げています。


“難しい資格=有利”という思い込みは危険です。


資格を取ったら、そこがスタート

合格証を手にして満足してしまう人も多いですが、本当のスタートは就職・転職活動を始めたときです。


学んだ知識をどう活かすか、どんな職場で自分を成長させるかを考え続けることが、資格の本当の価値を引き出します。


まとめ

この7つの資格は、誰でも挑戦でき、実際の求人で確実に評価される現実的な選択肢です。


大切なのは「取ったら終わり」ではなく、「取ってからどう動くか」。


資格を武器に、一歩先のキャリアを切り開いていきましょう。