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大学での第二外国語と言えば、フランス語、ドイツ語、中国語など。
でも選ぶ基準は何で、学べばどう役立つのでしょう?
今回は使用機会の多さを基準に自由に選んでみたいと思います。
海外旅行で使える範囲が広い言語は何でしょうか?
1位はもちろん英語ですが、その次だと・・・
例えばスペイン語ができれば、スペインと中南米のほぼ全域で使えます。
マイナーと思われがちなアラビア語も使われている国が多い言語です。
インターネットコミュニケーションでの普及度に注目する観点もあります
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1位:英語 15億3,100万人 |
6位:ヒンディー語 4億2,000万人 |
※ヒンディー語はインド、ベンガル語はバングラデシュの公用語。
出典:【2024年最新版】世界の言語ランキング|WIP Japan
1位:英語(約59か国)
2位:フランス語(約29か国)
3位:アラビア語(約27か国)
4位:スペイン語(約21か国)

1位:英語 11億8,645万人(25.9%)
2位: 中国語 8億8,845万人(19.4%)
3位:スペイン語 3億6,368万人(7.9%)
4位:アラビア語 2億3,742万人(5.2%)
5位:インドネシア語・マレー語 1億9,803万人(4.3%)
6位:ポルトガル語 1億7,175万人(3.7%)
7位:フランス語 1億5,173万人(3.3%)
8位:日本語 1億1,863万人(2.6%)
9位:ロシア語 1億1,635万人(2.5%)
10位:ドイツ語 9,253万人(2.0%)
上記10言語計 35億2,503万人(76.9%)
出典:【2024年最新版】世界の言語ランキング|WIP Japan
使用地域
フランス、モナコ、ベルギー、スイス、カナダ、ハイチ、西アフリカ諸国など29か国・80地域。
英語に次ぐ通用地域の広さです。
フランスが列強の一国として世界中に植民地を持っていたのは遠い昔のこと。
ですが、今も広い地域で話されていることに驚きかされます。
フランス語の魅力
文学、映画、料理、ワイン、絵画などに魅せられてフランス語を学ぶ人も多いです。
使用地域
スペインと中南米のほとんどの国(メキシコ、ペルー、アルゼンチンなど)。
学習のしやすさ
フランス語と同じくラテン語を祖先に持つ言語グループに属します。
だから文法はフランス語に似ていて少し複雑です。
しかし、発音は日本人にとって最も易しい言語のひとつ。
母音はアイウエオだけ、子音も難しい音は少なく、カタカナ読みでほめてもらえます。
使用地域
サウジアラビア、UAE、エジプト、モロッコなど。
複数の方言がありますが、フスハー(標準語)は全アラブ諸国で通用し、公共放送や新聞はフスハーです。
サウジアラビアやUAEは今後の経済発展が見込まれ、接触機会やビジネスチャンスも増えるはずです。
学習の難関
発音が難しく、文法も非常に複雑で、習得が難しい言語です。
右から左に書くミミズのような(失礼)文字も覚えにくいです。
しかし、それだけにマスターできれば希少性があります。
使用地域
国としては中国、台湾、シンガポールです。
ほかに世界中に華僑がいます。
中国大陸の標準語(「普通話」という)はどこでも通じます。
中国語の種類
日本で主要なのは普通話と台湾華語です。
普通話は簡体字という画数を減らした漢字、台湾華語は日本人になじみのある画数の多い繁体字という漢字を使います。
文章の見た目は大きく異なりますが、ともに北京官話(単に北京語ともいう)から分岐したものです。
分岐して100年以上経つので発音や語彙の差も出てきていますが、話せば通じます。
普通話の教室が圧倒的に多いですが、どちらを先に学んでも他方を学びやすいと思います。
これに対して香港語は広東語の方言で、語彙も発音も全く違い、話が通じません。
中国語の難関
欧米の学習者にとっては何千もある漢字です。
しかし日本人は漢字になじみがあるので、ライティングでは圧倒的に有利です。
日本人にとっての最初の難関は「声調(イントネーション)」でしょう。
中国語はイントネーションで意味が全然変わり、これを覚えるのが大変です。

第二外国語を学んだ後の悩みは、日常生活で実際に使う機会が少なくて忘れていくことです。
解決策のひとつに、訪日観光客や在日居住者の数から選ぶという観点があります。
練習の機会に事欠かないし、文化交流や仕事に生かすチャンスもあるはずです。
そうすれば第二外国語は単なる教養ではなく、新たな人生を切り開くきっかけになりえます。
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1位:韓国 |
11位:インド |
出典:訪日外国人動向|株式会社JTB総合研究所(2025年8月)
インバウンド旅行者は一般にお金を持っていて教育水準も高い人たちです。
こういう人たちと友達になったり、観光産業に従事して生かすことが考えられます。
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1位: 中国 |
6位:ネパール |
出典:令和6年6月末現在における在留外国人数について|法務省
中国人と韓国人は昔から多いです。仕事はさまざまで、肉体労働からビジネスマン、富豪のような人もいます。
最近はベトナム人とネパール人の増加が顕著で、工場労働者や飲食店従業員が多いです。
日本の小さな田舎町まで本格インド料理店ができてきていますが、大半はインド人ではなく、ネパール人の経営です。
ブラジル人(ポルトガル語)は、自動車メーカーの城下町(トヨタのある愛知県など)に大きなコミュニティを作っています。
前章で紹介した中国語は省略します。
文法が似ており、「日本語と韓国語は同じアルタイ語族ではないか」という議論が昔から続いているほどです。
発音も簡単な部類で、カタカナ読みで一応通じます。
韓流エンタメや韓国料理も魅力的なのでおすすめです。
女性を中心に旅行先やベトナム料理の人気も高いせいか、大都市には教室があります。
文字はアルファベット(英語のそれとは少し違いますが)なので抵抗が少ないでしょう。
最初の難関は発音と声調(イントネーション)です。
インドのヒンディー語と同系統の言葉で、文字もデーヴァナーガリー文字で共通です。
教室は少ないですが、オンラインレッスンや個人講師を見つけるのは難しくないでしょう。
少しできるようになれば、最近は小さな町にもあるネパールカレー屋さんで話し放題です。
自動車工を中心に日本に大きなコミュニティを持つブラジル人の母国語。
ただし、ヨーロッパ本国のポルトガル語とブラジル・ポルトガル語は少し違います。
スペイン語・イタリア語・フランス語などと近縁の言語です。
ボサノバやサンバ、柔術などに興味がある人には本場の言語です。
教室は多くないですが、オンラインスクールや個人講師に学べます。
文字は英語と同じラテン文字(アルファベット)で特殊な記号も出てきません。
難しい発音はなく、音と文字がほぼ1対1で対応しています。
文法は世界で一番シンプルとも言われています。
語順は英語と同じSVOで、過去形などの動詞の時制活用がありません。
マレーシアの言語マレー語とインドネシア語はもともと同じ言語が地理的に分岐したものです。
兄弟語とも言われ、非常に似ていて話は相互に通じます。
かつて人気だった第二外国語や古語を含む他の選択肢を紹介しています。
明治から昭和までは、第二外国語はドイツ語とフランス語が筆頭でした。
ドイツ語学習が盛んだった理由は、明治維新当時ドイツは強国で、日本が近代化の際に一番参考にした国だったからです。
ドイツにかつての勢いはないものの、ドイツ・スイス・オーストリアほかで通じる欧州のメイン言語のひとつです。
英語と同じくインド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派西ゲルマン語群に属しますが、文法ははるかに複雑です。
英語が太古の特徴を失ってシンプルになったのに対し、ドイツは本来の特徴をとどめているためです。
スペイン語、フランス語などと同じく世俗ラテン語を祖先とする言語で、文法や語彙は互いに似ています。
発音や読みは、スペイン語ほどではないですがローマ字読みに近く、フランス語より楽だと思われます。
イタリアの芸術や料理、文化に興味がある人には魅力のある言語です。
昭和まではしばしば大学の第二外国語の選択肢に提供されていました。
しかし、ウクライナ侵略以降は孤立しており、戦後の国際的地位は顕著な低下が予想されています。
実用的価値は、ロシアと直接関わる人以外には限られたものになると思われます。
ロシア文学、音楽・バレエ、ロシア文化に興味がある人は自分の好みに従えばいいと思います。
また、旧ソ連圏の中央アジア諸国では広く通用します。(ロシア語話者の印象は、今後よくないかもしれません。)
遠く離れているのに、日本語と文法がそっくりなアルタイ諸語チュルク語族の言語です。
そのため「日本語もアルタイ諸語に属して親戚なのでは?」という議論が昔から続いています。
文法は似ていますが、語彙は全く違うので学習が楽かどうかは人によると思います。
文字はラテン文字(ABCのアルファベット)です。
中央アジアの公用語はほとんどチュルク語族です。
この地域に興味がある人は最初にトルコ語を勉強しておくと次がラクかもしれません。
トルクメン語はトルコ語と方言レベルの違い、他のチュルク系言語は文法は似ているが違いも大きいそうです。
中央アジアの主な言語
| チュルク語族 |
カザフ語(カザフスタン) |
|---|---|
| イラン語派 |
タジク語(タジキスタン) |
| 共通語 | 旧ソ連圏なので、ロシア語が広く通じます。 |
古代ローマ帝国の公用語で、中世のヨーロッパでは教会で用いられていました。
今では話し言葉として使っているのはバチカン市国だけの、事実上の古語です。
しかし、西洋史や西洋古典芸術を学ぶ上では必須の教養です。
文法は語の格変化が多く複雑で、ポピュラーな話し言葉のように効率的な学習方法も研究されていません。
取り組みには覚悟が必要だと思われます。
実用・ビジネスの機会はほぼないですが、ワンランク上の教養を示せます。