データ入力の在宅ワークは極端な低賃金になって疲弊してしまうことが多い仕事です。(例外もあると思いますが)
しかし、在宅ワーク初心者には利用価値もある仕事です。
良い面悪い面を含めて、この仕事の全体像を見ていきましょう。
まず扱うデータの種類、作業報酬相場、仕事を見つける場所などをざっと見てみます。
データの種類 | 仕事内容 |
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名簿・リスト入力 |
顧客情報や会員情報などを、指定のフォーマット(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)に入力する仕事です。
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商品情報・商品登録 |
ECサイトやネットショップの商品ページに必要な情報を入力します。【例】
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アンケート結果の集計・入力 |
紙やWebで回収したアンケート結果をデータ化する作業です。【例】
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手書き原稿・PDFからの文字起こし |
手書きの書類やPDF資料を、テキストデータにする作業です。【例】
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音声・動画の文字起こし(厳密にはデータ入力の一種) |
録音や動画の音声を聞き取り、文章として入力します。【例】
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仕事の種類 | 単価相場 | 時給換算 |
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名簿・リスト入力 | 5~20円/件 | 500~1,000円 |
商品情報登録 | 10~50円/件 | 800~1,200円 |
アンケート結果入力 | 5~15円/件 | 500~1,000円 |
手書き・PDFから |
0.1~0.5円/1文字 | 800~1,500円 |
音声・動画文字起こし | 100~300円 | 1,000~2,000円 |
上記の表において、単価はほぼ実際の相場です。
しかし、時給換算はネット上の第三者の情報のまとめで、換算の根拠は怪しい面があります。
この表のとおりだとそんなに悪くない仕事ですが、実際はこの時給換算をはるかに下回る場合の方が多いです。
クラウドソーシング
仕事を頼みたい人と、スキルを売りたい人をマッチングするサービスです。
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのサービスで多数の求人があります。
シュフティ、ママワークスなど主婦・シンママにフォーカスしたものもあります。
データ入力の仕事を得る機会の中心です。
求人サイト
インディード、求人BOXのような求人サイトにもデータ入力者の募集があります。
外勤以外にリモート勤務の募集もあります。
データ入力には海外の物販サイトのデータ入力という特殊な仕事もあります。
英訳や写真採取の作業も伴う、比較的複雑なデータ入力です。
参考記事
eBayというのはアメリカ発祥の世界展開している物販プラットフォームで、メルカリやヤフオクの世界版みたいなサービスと思ってください。
データ入力はデメリットが多く、疲弊して辞めていく人も多い仕事です。
最初にデメリットを押さえた上で、この仕事の利用価値を吟味することにします。
求人サイトの高時給は本当?
インディードや求人BOXのような求人サイトでは、時給1,300~1,800円くらいが提示されていることも多いです。
「データ入力の時給がなんでそんなに高いのか?」は、副業・バイト探し人の間では有名な謎になっています。
オフィスに出勤する場合は時給で嘘をつけませんから、実際にそんな時給の仕事もあるのかもしれません。
在宅は低時給が多い
しかし、在宅の場合は発注者が例示するような時給にならないことが多いです。
「慣れれば1件5分程度でできる」と書かれていても、「これ、どう頑張っても10分はかかるのでは?」というようなことがあります。
その場合、実際の時給換算は相手の提示額の半分になります。
しかし、それを発注者に訴えても「いやいや、うちのベテランには1件3分くらいでやる人もいますよ」とか言われるでしょう。
こちらでは真偽を確かめようもありません。
時給換算で数百円レベルの搾取状態になっていることも多いです。
多くの人にとってこれが最大の苦痛のひとつです。
疲れてくるとスピードが落ち、ますます稼げなくなってきます。
しかし、中には変化のある仕事より好きな人もおり、そういうタイプはこの仕事が向いていると言えます。
物を運ぶ仕事や立ち仕事に比べて楽に思われがちですが、実際にやってみるとそうでもありません。
同じ姿勢で長時間単純作業を繰り返すため、疲れる人が多いです。
ビジネスなので「どれだけできるかはその時次第」というわけにはいかず、消化量の目安があるのは当然です。
しかし、子供の急病などの事態に柔軟に対応してくれる業者もあれば、ノルマ達成を強要してくる業者もいます。
ノルマがきついとデメリットばかりになってしまうので、そういう業者の仕事はやめていくのが正解です。
デザインやライティング、動画編集なら量をこなすほど上達していきます。(自分の心がけも関係しますが)
参考記事
しかし、データ入力は長くやれば何が身につくという仕事でもないです。
もちろん入力スピードは上がるでしょうが、そのスキルの経済的価値は限定的です。
発注前に有料講座の受講や教材・仕事道具の購入を要求してくる業者もいます。
これは100%副業詐欺ですから、厳に却下してその仕事をみつけたクラウドソーシングサービスや求人サイトに報告してください。
参考記事
以上のように「ちゃんと稼いで長く続けられる仕事」としてはおすすめできない仕事です。
しかし、あらかじめ悪い面を承知で受け入れると、いい面もたくさんあります。
それを見てみましょう。
クラウドソーシングサービスで仕事をする場合、案件獲得が最初の難関です。
スキル仕事・高単価はハードル高
デザインなどスキルの必要な仕事は、未経験者・初心者はなかなか受注できません。
応募する側の心理も「納期どおりに満足してもらえる仕事ができるだろうか?」と不安でいっぱいです。
スキルの必要な仕事、単価の高い仕事を運よく獲れても、相手の要求水準は高いです。
それに達していないともめます。
低評価をつけられて、以後の受注が難しくなるリスクも大きいです。
データ入力は初心者楽勝
しかし、データ入力は特にスキルのない在宅ワーク初心者も簡単に受注できます。
簡単な内容なので、丁寧に仕事をすればもめ事も起きにくいです。
すごく手間と時間がかかって全然稼げないかもしれません。
しかし、雇われて給料をもらう稼ぎ方しかしたことのない人が自分で仕事を獲る成功体験を積むには、安全な機会です。
高評価も貯めやすく、それをしておくと後々高単価の仕事に応募する際に有利です。
パソコン仕事に慣れられる
この仕事の欠点として「スキルアップが望めない」を挙げました。
しかし、そもそもパソコンの扱いに慣れていない人はその限りではありません。
毎日強制的にパソコンに触れねばならないため、否が応でもPCスキルは上達します。
キーボード入力・コピペ・ネット検索・メール通信などは当たり前の感覚になってきます。
グーグルスプレッドシートなどを使わされますが、これの操作はマイクロソフト・エクセルとほぼ同じです。
グーグルドキュメントを使う場合もありますが、これはマイクロソフト・ワードとほぼ同様です。
エクセルとワードはビジネスソフトの最基本で、どの会社で働く場合もできることが求められます。
するとパソコン教室に通ってビジネス必須のソフトを習っているのと同じ一面もあるわけです。
しかも授業料を払うのではなく、安いながらもお金をもらいながらです。
準備段階と割り切れば有用
特にスキルのない人が本格的な在宅ワーカーになるのに先立ち、次のようなことをする場としては、データ入力は理想的とさえいえます。
パソコン仕事と在宅ワークに慣れながら、ステップアップを構想していきましょう。
ここからは下記のようなことを進めていくのが大事です。
低単価や単純作業の退屈さをずっと愚痴っている人は、こういう努力をしていません。
スキルアップの上では下記のような講座が役に立つでしょう。
まとまった時間を確保できない人は外勤ができません。
在宅ワークでもオンライン秘書などは無理です。
参考記事
ライターやデザイナーなら時間の自由がききます。
しかし、切り替えと集中にも時間がかかるので、たえず邪魔が入る状況では難しいです。
その点、データ入力なら5分10分の空き時間も利用して進めていけます。
頻繁に体調を崩しがちな小さい子供が複数いるシングルマザーは、1~2時間の確保さえ難しい場合があります。
他の仕事はできない状況下では、低効率ではあっても10件で500円、20件で1,000円と現金収入が得られる仕事は助かるはずです。
単調な繰り返しで退屈なのがこの仕事の欠点ですが、変化の多い仕事が苦手な人もいます。
自分の中心任務のほかに電話・お客様対応・上司や同僚の頼み事などがしょっちゅう割り込む仕事は多いです。
そういう仕事は、優先順位を的確に判断しててきぱきこなす必要があります。
しかし、それが苦手で1種類の作業にずっと向き合う方が性に合う人もいます。
そういう人は、普通の人が30分で飽きる作業を4時間集中して継続でき、平均の2倍稼げる可能性もあります。
また、孤独な作業というデメリットも、人と接するのが苦手な人にはメリットに感じられるでしょう。
データ入力の仕事はいかがでしたでしょうか?
「いまいちかな」と思ったら、ほかの仕事も見てみる事です。
せっかく在宅でやるのですから、いやなことを我慢するのではなく、自分に合う仕事を見つけることが大切です。
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