今回は不動産取引関系の資格にどういうものがあるのか紹介します。
不動産取引の業界にいる人にとっての位置づけ、という観点で整理しています。
そしておすすめのオンライン講座。
ご自身のキャリアアップにお役立てください。
不動産系資格の基本になるのが宅建士、正式には宅地建物取引士です。
不動産の取引において買主・借主の利益を保護する役割を担った資格です。
不動産系資格ならまず宅建士を取るべきです。
この資格の重要性・.有利性は、設置義務と独占業務に由来します。
宅建業者(不動産屋さんのこと)の事務所では、従業員5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置かねばならない。
宅建業者ではない客への不動産の販売・賃貸で毎回発生する業務のうち、下記の3業務。
これらの3業務は、宅建士の資格を持つ者だけ許される。
このように、宅建業者は宅建士を雇わないと業務ができないので、就職には有利です。
(とはいえ、業績が上がらないのに資格保持者というだけで大切にしてもらえるほどすごい資格ではないので、勘違いはされないようお願いします。)
また、法律系の資格であるため、他の業界でも評価されることがよくあります。
内容は民法、宅建業法をはじめ、法令が中心です。
試験は年1回(例年10月)、4問択一式が50問、制限時間2時間です。
合格率は15%程度、合格に必要な勉強時間は300時間と言われています。
民法は特に難しく、超難関試験ではないものの、そんなに簡単な試験でもありません。
この2つは、マンションの管理に特化した不動産系資格です。
宅建士の中でもマンションの売買や管理に関することを少し学びます。
宅建士の勉強では「マンション」ではなく、区分所有建物という用語で出てきますが。
しかし、近年はマンションに住む人が増加し、戸建ての場合と違う様々な問題に対処できる専門家の必要性が増してきたため、この資格が作られました。
どちらも資格試験の出題内容は共通する部分が大きいですが、資格の性格は大きく異なります。
マンション管理士(マン管)の方は、マンション管理組合をクライアントとする独立コンサルタント的な仕事をする人向きの資格です。
一方、管理業務主任者(管業)は、マンション管理会社の社員向けの資格です。
不動産の中でもマンションの取り扱い比率が大きいなら、宅建の次はこのどちらかを取得するのがよいでしょう。
「賃貸不動産経営管理士」は、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する資格です。
民間資格でスタートし、近年国家資格に格上げされました。
管理受託契約の明快性、賃貸住宅の維持保全の妥当性を確保する役割を持っています。
国の住宅政策は21世紀に入って、中古や賃貸の流通を重視する方向に変わっています。
人口が増加していた20世紀は、とにかく新築供給の増加が主眼でしたが、人口減少の時代に対応して住宅政策も変わったのです。
そこで件数が増えていた賃貸関係のトラブル解決にもっと向き合おうということになり、「業務管理者」という制度が作られました。
賃貸不動産業をやるなら、事務所ごとに「業務管理者」を1名以上置かねばならないと定められました。
そしてこの「業務管理者」になるには、宅建士か賃貸不動産経営管理士のどちらかが必要なのです。
だからお仕事が賃貸不動産関係なら、先に賃貸不動産経営管理士を取って「業務管理者」を目指すのもいいでしょう。
しかし、不動産業界内外で一番認められている資格は宅建士ですから、ゆくゆくはこちらも取得されるのがいいかと思います。
お金の問題に精通して、家計のアドバイスする能力を認定する資格で、上から1級・2級・3級の3つあります。
ズバリ不動産関連の資格というわけではないですが、相続、税金、住宅ローンについて専門的な話ができるので説得力が増します。
3級は誰でも受験できますが、入門レベルなのであまり評価されません。
2級は3級に合格済であることが受験資格になります。
2級の難易度は宅建などに近く、かなり高度な内容なので社会的評価も高いです。
不動産のお仕事のキャリアアップの資格という位置づけならFP2級を目指すのがいいと思います。
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ここでは不動産取引と関係はあるが、不動産取引業従事者のキャリアアップには向かない資格をまとめています。
不動産取引業者と接触の場面は多いが、別の世界であったり、超難関資格であったりするものです。
よく知らずに覚悟もないまま、勉強を始めたりしないように注意してください。
登記を専門とする法律家です。
登記というのは、不動産や法人の情報を法務局に登録して誰でも有料で閲覧できるようにし、関係者の利益を保護する制度です。
不動産の売買や抵当権の設定の場面には必ず司法書士が立ち会い、契約が成立すると即座に法務局に走って登記を実行します。
不動産の売買では毎回接触するので、その意味では縁が深いのですが、別世界でもあります。
不動産業者が司法書士を兼ねてワンストップで登記まで済ませるような例は聞いたことがありません。
そもそも司法書士は、司法試験を除くと法律系資格試験の最難関であり、合格に必要な勉強時間は3,000時間と言われています。
宅建が300時間ですから、その10倍です。
将来の独立を目指して命がけで勉強して取る資格なのです。
不動産取引業従事者のキャリアアップで目指せるような資格でないことは知っておきましょう。
不動産の表示登記の代行を独占業務とする法律家です。
土地や建物の取引の際に境界トラブルがないように、現場に足を運んで測量し、図面を作ったりします。
測量技師と法律家をミックスしたような変わった仕事です。
資格試験も先に測量士補に合格してから土地家屋調査士を受験するのが通例になっています。
先ほど、不動産登記の専門家は司法書士だといいましたが、少し正確性を欠きます。
不動産登記簿は、表示部と権利部の2セクションに分けられています。
表示部は「これはどこのどういう土地、建物で最初の所有者は誰だ」といった情報が入っています。
表示部はその不動産が新たに作られて、初めて登記された時に作成されます。
例えば家の新築時です。
これに対して権利部には、所有権の移転や抵当権の設定・解除などの情報が入っています。
司法書士は権利部の方の登記の専門家であって、権利部の登記代行を独占業務としています。
一方、表示部の登記の専門家は土地家屋調査士であって、表示部の登記代行を独占業務としています。
土地家屋調査士も不動産取引と関係の深い資格ですが、少し違う世界です。
就職先は宅建業者ではなく、土地家屋調査士事務所か、測量会社。
試験は測量図の作図実技と法律で、合格率は10%未満。
取得は結構大変です。
不動産取引業従事者のキャリアアップ向けの資格ではないでしょう。
公正中立な立場から不動産の価格を出す仕事です。
地価公示、路線価などの「公的評価」の仕事が毎年お役所から出されるので、安定収入があります。
そのほかに個人や企業からも鑑定依頼が来ます。
就職先は不動産鑑定事務所か独立、または鑑定部門のある不動産業などです。
試験は鑑定理論が配点300点、会計学・経済学・民法が100点ずつ。
合格に必要な勉強時間は2,000~3,700時間と言われる大変な難関試験です。
全国に8,000人しかおらず希少性の高い資格と言われますが、需要が少ないともいえるでしょう。
不動産取引業の人がキャリアアップのために取得すべき、ないしは取得できる資格ではないと思います。
建築物の設計・工事監理を行うための資格で、一級建築士、二級建築士、木造建築士があります。
建築の世界から不動産の世界に入って来て兼業になることはあるようです。
例えば建売住宅やリノベーション中古住宅を継続的に販売する場合、宅建業の免許が必要になるからです。
逆に不動産の世界から建築の世界に手を伸ばすメリットはあるか?
土地のお世話をした人から建築も任されるということは、ないことはないでしょうが、件数は少なくなると思われます。
不動産取引はあからさまなお金のやりとりの世界、建築は文化・芸術・生活の世界で別物と捉えている人が多いような気がします。
2つの異なる世界のことを上手にこなせる人は少ないし、同じ一人の人に任せる人も少ないのではないでしょうか?
建築士の学科試験の合格に、一級は1,000~1,500時間、二級は700時間の勉強が必要だと言われています。
学科だけでなく、設計図面の製図実技試験もあります。
不動産取引従事者のキャリアアップで目指せる資格ではないでしょう。
住まい手にとって快適な住空間を作るために適切な提言・助言を行う専門職です。
公益社団法人インテリア産業協会が資格認定を運用しています。
インテリアの話ができれば家の販売や賃貸の商談の際に役に立つことがあるかもしれません。
しかし、そういう芸術的センスが必要な問題に関して、不動産屋の意見に興味を示さないお客さんも多いでしょう。
不動産取引はあからさまなお金のやりとりの世界、建築は文化・芸術・生活の世界で別物と捉えている人が多いような気がします。
自分の趣味嗜好で取るのはいいが、一般論として不動産取引従事者のキャリアアップにいい資格かと言われると、違うように思います。
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